2012年03月16日
80 太地町の博物館にいるクジラたち

朝日新聞和歌山版2012年2月27日掲載
前回に続き、太地町立くじらの博物館での話題です。
太地はくじらと共に歩んできた町。
この地で人と関わってきたクジラたちを知ってほしいと、
追い込み漁で捕るクジラ類を集め、
飼育や展示の工夫をしています。
ハナゴンドウ オキゴンドウ コビレゴンドウ
バンドウイルカ カマイルカ
そして、飼育下では珍しい マダライルカ スジイルカ。
大学などと連携して研究をおこなうと共に、
お客さんが間近で生態を実感できる場面も作っています。
クジラたちを近くで見れる桟橋
ハナゴンドウ
体の傷の模様からついた名前。
歯が少ない。 (記事のコビレゴンドウと比べてください!)
桐畑副館長さんのお話では、イカを多く食べるクジラは、歯が少ない傾向にあるそうです。
イルカやクジラのショーでは、
種類ごとの特徴や生態をきちんと説明し、
それにあわせた動き という教育的な構成でした。
バンドウイルカの鰭を説明。
野生のイルカは、ダルマザメに噛まれたり、
オスは闘争で傷ついていたりする。
ダルマザメが噛んだ跡(円い傷跡)が見えますか?
可愛い、癒される、というイメージが強いイルカたち。
本来、広い海で仲間とコミュニケーションを取り、
クジラたちはそれぞれのくらしを営んでいます。、
資源として、
ショーの立役者として
私たちと関わってきてくれた動物たちのことを
正しく知りたいと、豊富な資料が蓄積された博物館で思いました。
2012年02月23日
79 腹びれのあるイルカ

クリックしてお読みください。
朝日新聞和歌山版2012年2月20日掲載
2006年に発見された、腹びれのあるイルカ。
過去に後脚の痕跡と見られる突起が見つかったのが8例あるそうですが、
このように大きなひれ状で、
また、個体が生きている状態で発見されたのはとても貴重です。
オスのカイト(写真左側)とはるか
2頭の相性は良いそうです。
はるかは、ホルモンのデータから、
繁殖の準備が整っていると見られますが、
カイトがまだ若いようです。
(社)日本動物園水族館協会の加盟する施設で飼育される、
バンドウイルカの血統登録を担当する鴨川シーワールドに、
飼育数と繁殖数のデータを教えていただきました。
今後、飼育下での繁殖が増えることを期待したいです。
はるかの腹びれの間にある生殖孔と乳列
小の字に見えます。
母親の3分の1ほどの大きさの子どもを産みます。
クジラ類が後肢を退化させたのは、
出産と関係するのではと、ふと思いました。